拒み

飛び込んだ
 冷たい風が
手と足とを
切り刻んできて

なんとか開けた目に
冷たく冴え冴えとした
あなたの姿が謳う

今日は
受け入れてはくれないのね

だって

あんなに
遠いところにある

航海

 幾つもの
海を渡って
幾つもの
風と遇ってきたね

逆風の中で
その中から
自分に合う
風を選んで
今日
ここまで来たんだ

でもね
乗りたい風に
乗るために
風が来るところへ
届くように

今は

帆を高ーく掲げて
待ってみるんだ

あの時

 風が冷たく流れてきて
ふと
あの時のこと
思い出す

ごはん前だから
お菓子は食べてはいけない

明日起きられないから
もう
寝ないといけないよ

あの時
耳障りにしか
聞こえていなかった

聞かなかった

あの言葉たち

冷たい風が
通り過ぎて行く

あの時

私はこんなにも
守られていたんだと

今やっと
気がついたんだ

外の世界

 いつから
そう思うようになったのだろう

誰もが暖かく
出迎えてくれるなんて

思い上がっていた

自分が守られて過ごしていたこと

切られたような痛み

でもその痛み

なんとなく知っている

今は

痛みがなくなるのを待つよりも

思い出させてくれたことに

感謝したい

外部接続

歩いていた

日差しに光る木の葉を

綺麗だと思って

沈む夕日を

最後まで見届けて

太陽が速く動く

そのことに驚いて

なんとか

どうにか

この世界に

つながっていようと

必死で

つながっている証しが

欲しくて

手を伸ばしながら

途切れていないか

 

ふりかえって

足跡見ながら

呼び止められた

あの時の

呼んでくれた

 

名前を

 

自分の名前を

響きを

もう一度

 

確認してみるんだ